Nature ハイライト
気候科学:過去の海水温を再構築する
Nature 553, 7686
過去の海水温を再構築する手法は、たくさんある。しかし、こうした手法の大半は、特定の深さや季節の研究にしか使用できないか、複雑であまり解明されていない生物学的過程に基づいている。今回B Bereiterたちは、氷床コア中の希ガスを用いて、最終氷期極大期から初期完新世の平均海水温を高分解能で再構築している。その結果、この期間に海洋全体が約2.5°C温暖化し、南極の気温の変動と密接に相関していたことが見いだされた。北半球高緯度域の陸塊の大半が急激に寒冷化したヤンガードライアス期に、海洋では現在を上回る著しい温暖化が生じていたことも分かった。
2018年1月4日号の Nature ハイライト
気候科学:過去の海水温を再構築する
進化発生生物学:神経系の収斂進化
天文学:初期宇宙の大質量銀河
量子物理学:第四の次元に拡張される量子ホール
材料科学:2D多接合ヘテロ構造体のワンポット合成
ウイルス学:SIVの霊長類モデルのゲノム
植物科学:寄生植物におけるmiRNAの働き
がん:がん細胞は老化を回避する
構造生物学:グルカゴン受容体が作る複合体の構造
構造生物学:補体受容体の構造