Nature Physics Published online: 1 September 2005 | doi: 10.1038/nphys122
プラズマ物理学 | 宇宙物理学 ねじれた磁束
太陽表面のねじれた磁力線の数値シミュレーションは、太陽フレアに「キンク不安定性」がどのように生じるかを示している。
太陽コロナは、激しく、高度に構造化された、磁場が支配するプラズマ領域である。Yuhong Fan 1、およびTibor TorokとBernhard Kliem 2 は、 Astrophysical Journalの別々の論文で、数値シミュレーションによりコロナ磁力線がねじれてコロナ質量放出(CME)として知られる太陽爆発が生じる過程を示した。
CMEは、物質の大噴出(10 8 〜10 11 t)であり、最大2,000 km/秒の超音速で太陽から放出される。噴出物質は、太陽の引力から逃れると惑星間空間を飛行し、しばしば衝撃波を引き起こして惑星の磁気圏(惑星の磁場が及ぶ惑星周辺の空間領域)内の活動を誘発する。CMEが生じる割合は、太陽磁場の11年周期と観察される太陽黒点パターンに密接に関係している。
コロナ画像で一般に観察される特徴は、両端が太陽表面に繋がっている閉磁ループである。全体的な構造が類似しているため、コロナループはCMEに関係しているのではないかと長い間考えられてきた。
Fan 1、およびTorokとKliem 2の現研究では、既存のコロナループの進化をモデル化するために磁気流体力学を使用している。どちらの研究でも、「キンク不安定性」として知られる効果が、ループを太陽磁場から逃れることができるほど太陽から遠ざけるように加速することが可能であることが確認された。この不安定性は、ゴムバンドを一定の限界以上にねじった場合に生じる節と実に良く似ている。
本シミュレーションは、画像機器を搭載した宇宙船(図1)によって観察されたCMEの構造的・力学的発達を厳密に再現するだけでなく、さらに太陽の表面から放射される独特なS字形X線放射の原因であると考えられているS字形電流層をも再現している。
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References
- Fan, Y. Coronal mass ejections as loss of confinement of kinked magnetic flux ropes. Astrophys. J. 630, 543-551 (2005)
- Torok, T. & Kliem, B. Confined and ejective eruptions of kink-unstable flux ropes. Astrophys. J. 630, L97-L100 (2005)
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