Nature Physics 1, 77 (2005) | doi: 10.1038/nphys166
うれしいフラストレーション
いわゆるカゴメ反強磁性体では、二次元格子の三角形の対称性(写真を参照)は相互作用エネルギーの低下と競合し、スピンは幾何学的フラストレーションを引き起こす。
特にスピンが2分の1の場合、そのような系は「共鳴原子価結合」状態、すなわちスピン対一重項から成る異常な基底状態との関連で注目されている。しかし、予測の多くは実験的検証が行われずじまいであったが、これはただ単に実験に適した物質がないというだけの理由であった。
Matthew P. Shoresらは、求められる特性を持つ鉱物の合成に成功した(J. Am. Chem. Soc. 127, 13462-13463; 2005)。この物質は、スピン1/2 Cu(II)イオンを基本とする構造的に完全なカゴメ層を特徴とする。高スピンのイオンを含む同様の系は以前作られているが、Shoresらは今回の銅イオンカゴメ反強磁性体を作製するために新しいプロトコルを開発する必要があった。この生成物は、ハーバートスミサイトZn[Cu3 (OH) 6Cl2]と呼ばれているが、非常に強いスピンフラストレーションを示すことが明らかとなり、長い間求められてきたスピン液体相を研究する試験台として利用できた。
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