HIGHLIGHTS

ngeo.2007.4
古気候学複数の温暖化?
(英語版はこちらから)
Alicia Newton


© 2007 Elsevie

暁新世/始新世境界温暖極大期以後に温暖期間がさらに4回あったことがニュージーランドの岩石から明らかに

暁新世/始新世境界温暖極大期として知られる、自然の温室効果ガスによる早期の温暖化の期間は、5550~5300万年前に起こった類似する特徴をもつ5回の一連の温暖化期間の最初の1つにすぎないかもしれない。 米国ライス大学のM Nicolo1らは、ニュージーランドの浅海石灰岩露頭を調査し、激しい方解石溶解期に堆積した5つの一連の異常な粘土質層と深海の底生有孔虫の種交代を発見した。最初の層は、暁新世/始新世境界温暖極大期に形成されたもので、当時の大気中の温室効果ガス濃度増加が急激であったことから、この温暖期は人為的な気候変動と類似することが示唆されている。追加された4層は、5400~5300万年前の間のもので、振幅と期間は小さいが、同様に比較的湿潤で温暖なイベントであったことを示している。研究者らは、それぞれの期間における地球温暖化が、ガスハイドレートからの突然の温室効果ガスの放出によって引き起こされ、総放出量はリザーバが枯渇するにつれて次第に少なくなったと示唆している。 初期条件がそれぞれわずかに異なり、温暖化の大きさも異なるこれら4つの追加されたイベントは、こうした突然の温暖化の背後にある機構の理解に有用であろう。

出典

  1. Nicolo, M. J., Dickens, G. R., Hollis, C. J. & Zachos, J. C. Multiple early Eocene hyperthermals: Their sedimentary expression on the New Zealand continental margin and in the deep sea. Geology 35, 699–702 (2007). | Article |