HIGHLIGHTS
嵐のような天候
J. CLARKE (BOSTON U.) &
Z. LEVAY (STSCI), ESA, NASA
土星の「オーロラオーバル」は、土星大気から紫外線を発光する周極バンドである。 最近得られた証拠によると、これらの発光は惑星の磁場と太陽風(太陽からの超音速プラズマ流)の結合が原因であることを示唆している。S. V. BadmanらはJournal of Geophysical Researchで、カッシーニによって得られた太陽風の現場測定とハッブル宇宙望遠鏡(HST)が撮影した画像とを組み合わせ、太陽風の変動状態がどのように土星のオーロラ嵐を引き起こすか検討を行った。
HST画像からオーロラオーバル内に含まれる惑星磁場の割合を知ることができる。この磁束は太陽風内の磁場と関係がある。Badmanらは、これをカッシーニから得られた惑星の昼側の電磁結合の推定値と比較して、オーロラ嵐の発生源である夜側の磁気活動の割合を推測した。予想通り、太陽風による土星の磁場の圧縮によって活動性の爆発が起きることを発見し、さらに驚いたことに、太陽からこの距離で通常観察される「静かな」太陽風の長い期間中に断続的に起きることが明らかになった。
温暖応答
磁気共鳴画像(MRI)は、人間や動物の体の微妙な解剖学的詳細を明らかにする。 同じ非侵襲的方法で体温をモニターすることは魅力的なオプションであり、MRIに基づくマッピングを行うために高感温物質を使用した検討が行われている。しかし、これらの物質は一般的に高濃度で送達することができないため信号は弱い。一方、画像化される多くの対象が多量の水を含んでいるが、水のMRI信号は温度に対してほとんど変化しない。
Journal of the American Chemical Societyで報告しているようにShanrong Zhangらは、最適な2つの宇宙を組み合わせた。温度変化に敏感に反応すると同時に、高速で周囲の大量の水と陽子スピンを交換する、少量の常磁性分子を使用した。適切な撮像技術を用いたこの組み合わせにより、低濃度物質が正確なプローブの役割を果たし、結果が強い水信号の変化によって報告されるようになる。この技術はin vitroで成功しており、現在は生物系への応用可能性を示す段階である。
別種の干渉
マッハ・ツェンダー干渉計は、古くから利用されている光コヒーレンス研究用の装置である。 ビームを分離・再結合する原理が原子の量子状態(人工的なもの)で使用できるとは驚きである。William D. OliverらがScience Expressで報告しているように、そのような技術は、さらにキュービット(量子情報処理の「情報単位」)を特徴づけるのに役立つかもしれない。
Oliverらは、超伝導キュービット(原子と同じように基底状態、励起状態あるいは両者のコヒーレントな重ね合わせ状態をとりうる回路)を使用した。彼らの計画では、ビームスプリッターは系を基底状態と励起状態のエネルギーが互いに出会うが交差することがない領域を通過させる外力と取り替えられる。代わりに初期状態は2つの可能な状態の重ね合わせにコヒーレントに分離される。その後、それぞれが独立して、系が「交差回避」点を再度通過するまで進展する。再結合した状態は干渉縞を示し、キュービット特有の情報が得られる。
フリップフロップで光を変える
光ファイバーを通る光信号情報を処理して異なるファイバー間を通過させるためには、連続的に電気信号に変換しなければならない。 これは、この情報を世界中に流すための大きな障害となっている。この制限を克服するには、光学領域の情報を扱う方法を発見する必要がある。
この目的のために、S. Zhangらは光データシーケンスを記憶する全光シフトレジスター(Optics Express 12, 9708-9713; 2005)を開発した。このレジスターは、直列に継がれた2つの光フリップフロップ(2つの安定状態を切り替えることにより1光ビットを記憶する記憶素子)で構成されている。フリップフロップ間のビットの移動は、単一の共通クロック信号によって制御される。単純な光学遅延回路と異なり、ビットシーケンスは無限に記憶することもオンデマンドで呼び出すこともできる。
低速レーンの単一光子

光を捕らえて蓄積する能力は、光と物質の研究の基礎である。 T.Chanelièreら(Nature 438, 833-836; 2005)およびM.D.Eisamanら(Nature 438, 837-841; 2005)は、単一光子を生成、伝送、蓄積、回収するために単一光子発生と標準光子減速技術、電磁誘導透過(EIT)とを組み合わせた。
はじめに、レーザー光線はルビジウム原子集団(Chanelièreは低温の85Rb、Eisamanは室温の87Rb)と相互作用し基底状態の原子を励起させる。これは、周波数シフトした光子(ストークス光子)および反転スピン(スピン波量子)を生成するプロセスである。単一光子パルス(ストークス光子の検出を条件とする)は、別のルビジウム原子集団と相互作用する反ストークスパルスに変換される。
通常は、反ストークス光子は原子雲に吸収されるが、系に別のレーザー光線(EIT制御レーザー)を当てると媒体は「透明」になる。両グループとも0.5マイクロ秒の蓄積時間を示し(Chanelièreらは100mの距離で送信した)、長距離量子通信の実現に一歩近づいた。
