HIGHLIGHTS

非線形輸送から生じる線形挙動

障壁を通り抜ける電子の性質は指数的で本質的に非線形過程であり、トランジスターなどのデバイスを小型化する上で根本的な量子限界となっている。 幸いなことに、この量子限界はP Schmidtらがこのような長さスケールにおける線形透過電圧を探求する障害とはならなかった (Appl. Phys. Lett. 88, 013502; 2006)。

最も単純な井戸型ポテンシャル障壁では電子の透過が指数的になるのは、確かである。しかし、(例えばステップを加えることによって)障壁形状の対称性を低下させると、べき乗測を含む他の解が存在しうる。Schmidtらは、20nmの構造に対するシュレーディンガー方程式およびポアソン方程式を数値的に解き、異なる高さのポテンシャルステップの追加によって(弾性散乱による)幅の広い共鳴の重ね合せが生じ、少なくとも0~0.25Vの所定のバイアス電圧ウィンドウでは透過電圧が線形化されるなることを明らかにした。そのような線形つまりオーミックな抵抗要素は、AlxGa1-xAsでは±2単分子層またはAlドーピングレベルで±1%の製造時のばらつきに対して安定であると思われる。

通常は、反ストークス光子は原子雲に吸収されるが、系に別のレーザー光線(EIT制御レーザー)を当てると媒体は「透明」になる。両グループとも0.5マイクロ秒の蓄積時間を示し(Chanelièreらは100mの距離で送信した)、長距離量子通信の実現に一歩近づいた。

紐理論

銀河系の中心には陽電子の発生源が存在する。 陽電子がどのように発生するのかは分かっていないが、電子との対消滅によって生じた511-keVの光子がコンプトン・ガンマ線天文台によって観測され(写真)、INTEGRAL(International Gamma-Ray Astrophysics Laboratory )によって確認された。

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W. PURCELL (NWU) ET AL.,
OSSE, COMPTON
OBSERVATORY, NASA.

陽電子の発生源として中性子星、ブラックホール、超新星、極超新星、ガンマ線バーストなどが考えられるが、これらによって観測された現象が詳細に説明できるか否かは明らかでない。ダークマターが関係している可能性もある。しかし、F FerrerとT Vachaspatiは、超伝導宇宙紐という見解を別に示している (Phys. Rev. Lett. 95, 261302; 2005)。

超伝導紐のもつれが銀河系内の磁場を通り抜けると、電流を生じるがその中に陽電子が含まれている可能性がある。特に注目すべきは、Ferrerと Vachaspatiが提示する紐は約1TeVのエネルギースケールの「光」であり、これはまさに、2007年からCERNの大型ハドロン衝突型加速器による探究が始まる物理のスケールである。INTEGRALによる高解像度の観測結果は、陽電子の発生源を突き止めるのにも役立つであろう。

レーザープルームの発展

ほぼ全ての材料をほぼ任意の形状にカットするレーザーの能力は、マイクロメートルスケールの構造物の製作にかなり有望である。 しかし、そのようなデリケートな構造物を融解させないためには、非常に短いレーザーパルスしか使用できず、製作速度が著しく制限される。これを避ける一つの方法はパルスの時間間隔を短くすることであるが、次のパルスがあまりに早く到達すると、各パルスによって放出された材料のプラズマプルームによって次のパルス光が吸収されるため、これもまた制限される。

関与するプロセスをさらに解明するため、J Konigらはフェムト秒パルスレーザーによって金属表面で生成されたプルームの時間分解画像および光の透過測定結果を集めた(Opt. Express 13, 10597-10607; 2005)。この研究によってこれらのプルームの発展プロセスに対する新しい発見が得られるだけでなく、最大有効パルス繰り返し周波数の推定が可能になる。

通常のフォーマットに結合させると

CDを聞くたびに経験していることだが、光の反射率の変化を使用してデータを効率的にエンコードすることができる。S A Langeらは今回、同じ原理を利用してディスク上に生体分子の結合事象に関する情報を高密度に圧縮し手軽に解凍できる可能性について報告している(Angew. Chem. Int. Edn 45, 270-273; 2006)。

Langeらは、通常のプラスチック製ディスクを使用し、それに特定のタンパク質を捕捉することができる抗体(モノクローナル抗体)をプリントした。抗体のスポットは、音楽などのデータが記録されているCDに形成されたピットと同程度の大きさである。タンパク質を捕らえらたスポットは銀粒子で染色することにより反射率を高められ、標準的なCD読み取りヘッドを使用してその部位に照射されたレーザー光を強く反射するようになる。しかし、結合が生じなければ、反射率は小さいままである。

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最初の実験では読み取りヘッドを顕微鏡の試料台に取り付けたが、最終的にはCDフォーマットで配列された金属増強タンパク質からの反射を、CDプレーヤーを用いて検出することが可能となり、手軽な高密度免疫測定技術となることをLangeらは期待している。

エネルギー幅の小さいビーム

極めて高い強度のレーザービームを薄い金属ターゲットに照射すると、その結果生じたプラズマ中に生まれる電場は通常の粒子加速器の100万倍以上になる。 したがって、レーザー加速器は、通常の数分の一の費用で高エネルギー粒子ビームをベンチトップにもたらすことが可能である。

しかし、ベンチトップ装置の利用が見込まれる用途の多く、例えば癌の陽子線治療等では、レーザー加速器が生み出すビームのエネルギーの幅は広すぎた。2つのグループが、この問題の解決策はターゲットの設計にあると報告している(Nature 439, 441-444, 445-448; 2006)。

これまでレーザー加速器は、陽子および軽イオンの供給源として金属箔表面上に存在する不純物に依存していた。しかし、ターゲットの構造を工夫することによって、レーザーで加速された陽子および炭素イオンビームのエネルギーの幅を1/4以上減少できることが実証された。


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