HIGHLIGHTS

マクスウェルの追究

ほとんどすべてとも言える物理学教科書がJ. C. Maxwellの研究に関係している。しかし、彼が1864年に英国学士院に提出した伝統ある方程式から得られるものはまだある。数学的観点から、A. Tipは今回、静電気学ではなく波の伝播の問題に焦点を当て、マクスウェル方程式の興味ある特性を明らかにした(J. Math. Phys. 47, 012902; 2006)。

力学に焦点を当てて、Tipは微分方程式系としてマクスウェル方程式を扱う代わりに、それらをユニタリ時間発展に関連付けた。これは、シュレーディンガー方程式の検討において生じるものと同じヒルベルト空間形式の使用により達成される。この枠組み内で、例えば誘電体内を伝搬する波の縦方向成分および横方向成分の運動方程式のデカップリングが生じることを示すことができる。

そのような見識は、例えばフォトニック結晶のバンド構造の検討を単純化する場合などにおいて物理的に有用である。同じアプローチは、これまであまり探究されてない課題である非線形誘電体の数学的な記述に関して新しい見解を提示するであろう。

熱核反応腐食の緩和

実行可能な核融合炉の設計において直面する数多くの問題の中に、原子炉の内壁を急速に腐食させることなく2億度以上の恒温でプラズマを維持する問題がある。強力な閉じ込め磁場によりこのプラズマの高エネルギーイオンが炉壁に触れることをほとんど防げるが、完全に回避することはできないと思われる。黒鉛で炉壁を覆うことで、その高融点およびスパッタリング耐性により腐食を最小限にすることが提案されているが、黒鉛は低温水素プラズマとでさえ化学反応を引き起こすためこの案は挫折した。幸い、M BaldwinおよびR Doerner (Nucl. Fusion 46, 444-450; 2006)が行った研究によれば、これにも解決策がありそうである。彼らは、重水素プラズマにベリリウムを注入すると表面に結合して黒鉛の反応性が低下することを発見した。

異なる周期の振動

パルサーは、その磁極から荷電粒子放射線の強い電磁波を放つ回転する中性子星であり、これは定期的に地球を通過する。パルサーの中には粒子束密度の変動を示すものもあり、数回の自転周期の間は放出しない場合がある。この不規則な現象の発生は、不明のままである。既知のパルサーPSR B1931+24の挙動はさらに奇妙で、およそ5~10日間活発であるが、突然25~35日間休止して元に戻る。

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Jodrell Bank天文台のM Kramerらは、160日間その回転速度を測定した(Science Express)。驚くべきことにspin-down rate(回転周波数の微分係数)は、パルサーが活発な場合には約50%大きい。電磁波放出のみによるエネルギー損失ではこの変化を説明することができないため、著者らは磁気圏におけるプラズマ流の変化が必要な制動トルクを供給する可能性を示唆している。このパルサー「風」の原因は不明であるが、正常なパルサーにおけるその存在は該当する磁界の推定値に影響を及ぼす可能性がある。

ねえ、聞こえた?

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蝸牛管(内耳内の渦巻状で先細の管)は、我々の音声認識において中心的な役割を果たす。蝸牛管には基底膜があり、その段階的力学的性質により入って来る音を周波数成分に分解することができる。基底膜は蝸牛管の開口部に接近しているため高周波に対して高感度であるが、蝸牛管の下方へ移動するにつれ感度は低周波数の方へ連続的に変化する。

蝸牛管特有の曲率の役割は全く不明である。しかし、D.Manoussakiらは、螺旋殻形状は音波を束ね効果的に増幅していると主張している(Phys. Rev. Lett. 96, 088701; 2006)。

この効果は「ささやきの回廊」現象を思い出させる。これは例えばドーム壁付近の音波の閉込めを表現している。Manoussakiらは、同様に、曲率が減少する境界からの反射は次第に外壁上に波動エネルギーを集中させることを示した。これは、蝸牛管の頂部方向で最も顕著であり、この効果の最大の影響は我々が低周波を処理する方法にあることを示唆している。

Three’s a crowd

1970年に、ロシアの核物理学者V Efimovは、ある状況下では相互作用する3粒子が、そのうちの2粒子のサブシステムが不安定であっても、無限に続く三重結合状態を形成することが可能であるという驚くべき予測をした。以来、「Efimovの物理学」は盛んに理論研究され、少数の量子粒子がどのように相互作用するかについてより深い理解が得られた。しかし、エキゾティックな3粒子Efimov状態を立証する説得力のある実験的証拠は十分なものではない。

しかし、今はそうではない。T. Kraemerらは、セシウム原子の極低温ガスの実験において、この効果の明らかな痕跡を発見した(Nature 440, 315-318; 2006)。セシウム原子間の相互作用を微調整するために磁界を使用して、Kraemerらはいわゆる3体再結合過程の研究を行った結果、トラッピングされたガス原子の損失が検知できた。Efimov状態のエネルギースペクトルを直接示すことはできなかったが、この実験は弱い結合の三重状態が実際に存在することを立証しているように思われ、少数体量子系を探究する次のラウンドを予告している。


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