HIGHLIGHTS
物理学のメリーゴーランド
強烈な衝撃

物質がその物質の室温でのエネルギー密度に匹敵する外部からのエネルギー束(およそ1011 Jm-3に相当する)にさらされる場合、いわゆる高エネルギー密度物理(HEDP)領域での挙動が支配的になる。HEDP状態は、一般的に惑星や恒星の内部、そして超新星爆発時に存在する。しかし、高出力レーザー技術の進歩に伴い、最近になって実験室でもそのような極端な物質状態を再現し研究することが可能となった。
A Benuzzi-Mounaixらは、レーザー駆動衝撃波を使用してHEPD領域を調べた最近十年間のさまざまな研究を概説している。この中には、地球の内核と外核の境界面と同じ温度と圧力での鉄の状態図の決定や、巨大惑星や褐色矮星の内部における物質の状態方程式の理論モデルを洗練する信頼できるデータの収集が含まれる。
自由中性子の崩壊
J S Nicoらは、自由中性子の放射性崩壊を観察した。中性子は、Wボゾンが関与する弱い相互作用によって陽子、電子および反ニュートリノに崩壊する。また、このような崩壊には、「内部制動放射」により発生する軟光子放出スペクトルが伴う。自由中性子(例えばNicoらが使用した米国標準技術研究所(NIST)のNG-6中性子ビーム)では、放射性崩壊の形跡を見つけることは特にむずかしい。なぜなら、検出に十分なエネルギーをもつ光子を生成する確率が相対的に低いだけでなく、光子の強いバックグラウンド放射がビームに伴うためである。
Nicoらは、放射性崩壊の証拠として、電子と光子および直後に生じる陽子信号の同時検出を試みた。15 keV程度の低いエネルギーの光子を検出するため、ゲルマニウム酸ビスマスのシンチレーション単結晶を使用し、シリコン・アバランシェフォトダイオードで信号を読み取った。また、磁場を使用して、崩壊で生じた電子と陽子を別の検出器へ導いた。これまでに集められたデータは、重いバリオンのカイラル摂動論を用いて計算した予測と一致している。
格子のメリーゴーラウンド
極低温ガス、特にボーズ・アインシュタイン凝縮体(BEC)の挙動に関する実験的知見の多くは、ガスをある種の格子構造に閉じ込めた研究の結果、明らかになった。例えば、光格子つまり対向伝搬するレーザー光の対が形成する周期ポテンシャルで、このような閉じ込めを行うことができる。しかし、BECを回転させても類似した効果が得られる。この場合、規則的な格子の形に自己組織化した渦が現れる。Tungらは、この2つの格子生成メカニズムが同時に作用する場合BECに何が起こるか観察した。
Tungらは、凝縮体を撹拌してほぼ完全な三角形の渦格子を形成し、数ヘルツで回転するBECを同じ速度で回転する光格子と重ね合わせることから出発した。光格子のパラメーターを適切に選択すると、渦はレーザー光が作るポテンシャルにピン留めされる。さらに、光格子が渦格子と異なる幾何構造(例えば正方形)をもっている場合、構造転移が観察される。
高感度化学センサー
微量物質の化学組成を分析できる潜在能力は、いわゆるラボオンチップ微小流体システムの開発の背後にある主要な動機の1つである。従来の実験室では、試料中に存在する化学物質を特定する1つの方法は、さまざまな波長の光を試料がどのように吸収するかを分析することである。試料をマルチモード・レーザーの共振器へ導入したときに発生する吸収の特徴を分析することは、似た方法であるがさらに高感度な技術である。
この目的のためにJ C Galasらは、シングルチップに集積した2つの微小流路に共振器がまたがる可変波長色素レーザーを開発した。第1の流路にさまざまな種類の色素を注入することにより、さまざまな波長でレーザーを作動させることができる。一方、第2の流路に試料液体を注入することにより、レーザーの発光出力が化学物質の影響を受け、さまざまな化学物質の存在を検出できる。
やっかいな問題
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ねばねばした指で砂山に触れても心配ない。J Bonachelaらによれば、砂山のスケーリング特性は変わらないのだ。2つの系が同じ普遍性クラスに属する場合、同じ臨界指数を共有し、系の固定点(臨界点であることが多い)は微視的な細部に依存しない。したがって、確率的な砂山と反応拡散系は同じ形式で記述できる。
砂山に砂粒を徐々に(ほとんど散逸なく)加えた場合、砂山の角度がある臨界角以上に大きくなると、砂山の安定性を回復させるため砂粒は必ずなだれを起こす。つまり、この系は自己組織化臨界現象を示す。加えて、一次元格子上の粘着性モデルにおいては、系が安定する高さの閾値より高くなっても砂粒が安定を保つ有限の確率が存在する。ほかの研究者たちは、粘着性の砂山はdirected percolationと同じクラスに属すると考えているが、Bonachelaらはモンテカルロシミュレーションを使用して、「粘着性」はそのような砂山の普遍性クラスに影響しないと主張している。
