HIGHLIGHTS

こちらからあちらまで卵探し

卵探し

精子細胞を卵子へと誘導することの重要性は明白であるが、精子細胞が目的地に到着するために用いる戦術はあまり明らかではない。卵子が放出する特定の化学物質が関与していることは知られているが、B FriedrichとF Jülicherは今回、この「化学誘引物質」の濃度勾配内で精子細胞が自分の道を見つける方法を説明する理論的枠組みを示した。

精子細胞(写真)は、延長部(いわゆる鞭毛)を使って動き回る。化学誘引物質がないと、遊走路は2次元では円形、3次元ではらせん形になる。しかし、鞭毛膜に結合した化学誘引物質分子によって、鞭毛の運動パターンが変わるので、遊走路の曲率とねじれ率が変化する。

FriedrichとJülicherは、化学誘引物質の濃度勾配による円形の経路とその結果生じる遊走方向の周期的な変化によって、最終的にはらせん状に精子細胞を卵子へ導く全体的なドリフト運動が生じると主張している。

平衡状態の間の距離

「熱力学的長さ」は平衡状態間の距離の尺度であり、それ故に扱いにくい非平衡系の研究に役立つ。この概念は数十年前からあるが、巨視的なスケールでは等しいが小さな系では異なるさまざまな定義が存在する。G E Crooksは、小さな系で熱力学的長さを定義する最もよい方法とその計算方法を検討した。

必要なのは、隣接状態間の集団変数における平均変化の定量化である。言い換えると自由エントロピーの変化についての知識が必要であり、Crooksが説明しているようにC H Bennettが考案した最尤法は、その評価に役立つ。

そこからCrooksは、Bennettの尤度と各分布の平均分布に対する相対エントロピーの平均として定義されるJensen-Shannon divergenceの関連付けを行った。これが、Crooksによる熱力学的長さの定義のカギである。2状態間のJensen-Shannon divergenceを使用して、2状態間の任意の経路の熱力学的長さと熱力学的divergence双方の下限を設定できる。したがって、経路のさらに細かい離散ステップを使用して、長さとdivergenceの推定値が収束するまで計算を繰り返さなくてはならない。

超伝導界面

表面と界面層は、終端層がその物理的性質に影響を与えるため、バルクとは本質的に異なっている。例えば、2つの酸化物系絶縁体間の界面を考えると、金属性の界面層を生成することは可能である。また、ある条件下では、両方の面に対する絶縁体が非磁性や反強磁性であっても、界面の電子ガスが強磁性を示す場合すらある。しかし、その効果の起源や他の基底状態の可能性は明らかではない。

N Reyrenらは、SrTiO3単結晶上にLaAlO3層を数層堆積し、ヘテロ界面での超伝導を観察した。Reyrenらの輸送測定によって、200 mKにおいて電気抵抗率の形跡が失われることが示された。超伝導特性を分析して、この超伝導は2次元Berezinskii-Kosterlitz-Thouless転移と一致するという結論が得られた。しかし、超伝導がSrTiO3の薄層内の酸素欠損によるものか、あるいは固有の効果によるものかは決められなかった。

超流動体の臨界流速

電子対(クーパー対)が超伝導体中を流れるのはBCS理論によって説明されるが、同様に、フェルミオンの対は超流体のように流れうる。フェルミオンの対はボーズ・アインシュタイン凝縮体(BEC)を形成することもできる。BEC-BCSクロスオーバーとして知られる、ある状態から別の状態への遷移は、極低温のフェルミ気体を用いた実験によって研究できるようになっている。

超流動体の臨界流速は、フォノン励起と対崩壊効果のトレードオフによって遷移前後で変化し、クロスオーバー点で最大に達すると予測されている。D E Millerらは今回、これまでより綿密に理論と比較できる装置を使用して、この予測を確かめた。

Millerらは、Feshbach共鳴付近の磁気調整を使用して、BEC-BCSクロスオーバーによって6Li原子対の超流体を捕らえた。2本のレーザービームによって形成された光格子の中央に保持された試料の小領域のみを調べることによって、ボゾンを使用した以前の実験の障害となっていた密度不均一性に伴う問題が軽減された。

ミラに風が吹くとき

最初に発見された変光星として、ミラは他の進化した赤色巨星の典型となっている。このような恒星は、分子風によって質量の大部分を放出し、その結果すぐ近くに恒星や惑星の形成を方向づける。しかし数世紀にわたる綿密な調査にもかかわらず、ミラのボーショック(弧状衝撃波)と彗星のような長い尾つまり乱流後流は、C MartinらがGALEX衛星によって得られた紫外線映像中で発見するまで観測されなかった。

ミラが星間物質を通過するときに生成されたボーショックが存在することは、この星の大きな空間速度を考えれば意外なことではない。しかし、尾は予想外であった。長さ4 pcの尾は、ミラの30,000年にわたる経路をトレースしている。これは、恒星風と周囲の星間物質との相互作用の類のない化石記録である。

Martinらは、冷たい風の中の水素と衝撃後の高温ガス中の電子の衝突を伴う冷却過程を提案した。さらに、ミラの風に観察された周期性は熱的に脈動する恒星の理論の課題となる。答えを得るには、乱流の複雑な流体力学モデルを必要とするであろう。


Extra navigation

.
ADVERTISEMENT