Nature ハイライト
免疫学:CD24はヒト固形腫瘍における自然免疫チェックポイントである
Nature 572, 7769
がん免疫療法とは、免疫系の構成成分が関与する、もしくはそれを利用したがん治療の形態である。A Barkalたちは今回、がん免疫療法の有望な新規標的としてCD24を特定している。この研究では、CD24が、いくつかの固形腫瘍の表面で高発現しており、腫瘍関連マクロファージが発現する受容体Siglec-10(sialic-acid-binding Ig-like lectin 10)との相互作用を介してマクロファージ媒介性のがん細胞除去を阻害することが明らかにされた。CD24とSiglec-10の相互作用を阻害すると、マクロファージを介した腫瘍細胞のファゴサイトーシスが増加して、マウスモデルにおいて腫瘍増殖が減少することが分かった。この新たな「don’t eat me(私を食べないで)」シグナルは、治療的介入の新規戦略を開発する上で有望な標的である。
2019年8月15日号の Nature ハイライト
微生物学:子宮内無菌仮説へ逆戻り
心血管疾患:LMNA変異が誘発する不整脈の原因となる機序が判明
細胞生物学:植物が塩を感知する仕組み
構造生物学:カルモジュリンはRyR2に対してどのように作用するのか
天体物理学:反復しない高速電波バーストの位置が特定された
惑星科学:原始木星に起こった巨大衝突
気候科学:1.5℃目標のための炭素予算を上回る化石燃料インフラの排出量
病原体:微生物のユビキチン化を修飾する
免疫学:CD24はヒト固形腫瘍における自然免疫チェックポイントである
がん:メチオニンの食餌療法は腫瘍増殖を調節する
腫瘍生物学:フェロトーシスを防ぐ