Nature

Cover Story: ダメージコントロール:トカゲの尻尾切りに着想を得た破壊箇所を分離して建築物全体の崩壊を防ぐ設計

Nature 629, 8012 (2024年5月16日)

表紙は、2015年に中国の貴陽で起こった9階建てビルの倒壊直後の状況である。建築物の壊滅的倒壊は、損害が非常に大きく、人命の損失をもたらす。従来の建築設計では、問題を緩和するために、建築物の全ての壊れた部分から残った構造へ荷重を再分配するように意図しているが、この方法は、そうした設計でなければ影響を受けなかったと思われる区画が崩壊する原因になり得る。今回J Adamたちは、建築物の壊れた部分を分離して壊滅的倒壊を防ぐという建築設計の代替的アプローチを提示している。このアプローチは、「階層に基づく崩壊分離」と呼ばれ、捕食者から逃れるためにトカゲが尾を切り落とす方法に着想を得たものである。この設計によって、あらかじめ決められた建築物の各部分の境界に沿った制御破壊が可能になり、初期の破壊が建築物全体に広がるのが阻止される。著者たちは、これによって建築物全体の崩壊が妨げられ、より多くの居住者の救助が可能になると示唆している。

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Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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