Perspective

HUPO PSIの分子間相互作用フォーマット―タンパク質間相互作用データ表記のための学界標準

Nature Biotechnology 22, 2 doi: 10.1038/nbt926

プロテオミクスの主要な目標のひとつは、細胞生理学の基礎となるタンパク質間相互作用ネットワークを完全に解明することである。小規模実験に加えて最近では大規模な実験が多数実施され、相互作用ネットワークの性質に関する理解が進展してきた。しかし現在、公開されているタンパク質間相互作用のデータは、形式がデータベース、研究者のウェブサイト、時には印刷物のみとさまざまであり、互いに分断されているため、必要となる実験間データ統合が困難なものとなっている。本論文では、タンパク質間相互作用データの表記および交換のための学界標準データモデルを提案する。このデータモデルは、ヒトプロテオーム機構(HumanProteome Organization;HUPO)の作業部会であるプロテオミクス標準イニシアチブ(Proteomics Standards Initiative;PSI)のメンバーが共同開発したものであり、主要なタンパク質間相互作用データ提供者に支持されている。主な支持者には、生体分子相互作用ネットワークデータベース( B i o m o l e c u l a rInteraction Network Database; BIND)、Cellzome社(独、ハイデルベルク)、相互作用タンパク質データベース( Database ofInteracting Proteins; DIP)、ダナファーバーがん研究所(Dana Farber Cancer Institute、米、マサチューセッツ州ボストン)、ヒトタンパク質参照データベース( Human ProteinReference Database; HPRD)、Hybrigenics社( 仏、パリ)、欧州生命情報科学研究所(European Bioinformatics Institute; EMBLEBI、英、ヒンクストン)のIntAct、分子相互作用(Molecular Interactions; MINT、伊、ローマ)データベース、タンパク質間相互作用データベース(Protein-Protein InteractionDatabase; PPID、英、エジンバラ)、および遺伝子/タンパク質相互作用検索ツール(SearchTool for the Retrieval of InteractingGenes/Proteins; STRING、EMBL、独、ハイデルベルク)がある。

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