Letter 組織病理学的認識のための赤外分光撮像 2005年4月1日 Nature Biotechnology 23, 4 doi: 10.1038/nbt1080 組織染色および形態パターン認識からなる組織病理学の工程は、過去140年以上にわたってほとんど変わっていない。この工程は臨床および研究活動に不可欠であるが、組織病理学的認識は依然として時間がかかり、操作者がもつ固有のばらつきのために統計的信頼性の低い主観的な工程となっている。免疫組織化学的方法による分子の検出には限界があるが、定量的病理学の自動化にこの方法を利用することは現在も重要な課題である。対照的に振動分光法では非摂動的な分子記述子が直接得られるが、実際的な組織病理学用の分光分析プロトコールが存在しない。本論文では、組織マイクロアレイの高処理能フーリエ変換赤外(FTIR)分光撮像を、内在分子構成を示すスペクトルの統計的パターン認識と併用し、前立腺組織の組織病理学的解析を行ったことを示す。この自動化された組織学的分析法は、日常的な保管組織検体に応用され、統計的有意性のある明確な試験法が採用されており、染色および分子プローブを全く必要としない方法である。さらに、分光分析では良性と悪性の前立腺上皮が識別される。 Full text PDF 目次へ戻る