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2種類の生物学的リン除去(EBPR)汚泥微生物群のメタゲノム解析

Nature Biotechnology 24, 10 doi: 10.1038/nbt1247

微生物を用いた産業プロセスのひとつである生物学的リン除去(EBPR)は、生態学的および経済的な意義が大きいことからよく研究されている。しかし、代謝レベルの理解はあまり進展していない。本研究では、非培養細菌Candidatus Accumulibacter phosphatisが優占する実験室規模のEBPR汚泥2種類に関してメタゲノム解析を行った。この解析はEBPRの代謝モデルに関する議論に光を当てるものであり、この菌叢内でのA. phosphatisの優占、EBPR外での生活様式、および培養に必要と考えられる条件を説明する仮説が得られた。異なるEBPR汚泥に由来する同一種を比較することにより、環境適応機構との関係が考えられるA. phosphatisゲノムの最近の進化ダイナミクスが浮かび上がった。対象とした2汚泥に近い微生物群には系統発生論的な重複が認められないが、機能に関する共通のテーマが見出され、少なくともそのひとつはこの優占微生物の推測される代謝と相補的であった。本研究は、EBPRのシステムレベルの理解にきわめて重要な青写真をもたらすとともに、よく研究されている生物学的システムでもメタゲノム解析が詳細な(多くの場合新規の)洞察を可能にすることを示している。

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