Article 親油性siRNAのin vivo送達の機序および最適化 2007年10月5日 Nature Biotechnology 25, 10 doi: 10.1038/nbt1339 コレステロール結合型のsiRNAは、in vivoで遺伝子発現を抑制させることができる。本研究では、さまざまな親油性siRNAを合成し、それを用いてin vivoでのsiRNA送達の必要条件を明らかにする。コレステロール以外にも、胆汁酸および長鎖脂肪酸との結合が、siRNAの細胞による取り込みおよびin vivoの遺伝子サイレンシングを媒介することを示す。このようなsiRNA複合体の効率的で選択的な取り込みは、リポタンパク質粒子、リポタンパク質受容体、および膜貫通タンパク質との相互作用によって変化する。高密度リポタンパク質(HDL)はsiRNAを肝、腸、腎、およびステロイド産生器官に向かわせるが、低密度リポタンパク質(LDL)はsiRNAを主として肝に向かわせる。LDL粒子によるsiRNAの送達にはLDL受容体の発現が不可欠であり、HDL結合型siRNAの取り込みにはSR-BI受容体の発現が必要である。細胞による取り込みには、線虫膜貫通タンパク質Sid1の哺乳類ホモログも必要である。今回の結果は、親油性分子との結合により、siRNAが一般的機序で効果的に取り込まれるようになることを裏づけている。これは、治療用siRNA輸送の最適化に利用可能である。 Full text PDF 目次へ戻る