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Caenorhabditis elegansin vivoでの時空間的プロモーター活性に関するゲノム規模の解析

Nature Biotechnology 25, 6 doi: 10.1038/nbt1305

遺伝子発現の差次的調節は、後生動物の細胞運命の決定に不可欠である。そのため、遺伝子プロモーターの転写活性を時空間的に解析することは、複雑な生物学的システムを理解するための重要な一歩である。今回我々は、C. elegansの予測プロモーター約900個(タンパク質をコードすることが予測される遺伝子の約5%)に関して、それぞれに緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現させてin vivoで時空間的解析を行った。線虫の解析に合ったフローサイトメーターを用い、幼虫早期から成虫までの発達を通じて蛍光強度を体軸に沿って二次元的に表す「クロノグラム」を作成した。得られたin vivoの発現パターンを自動的に比較およびクラスター化することにより、時空間的に共発現する遺伝子が共通の機能カテゴリーに属する傾向が明らかにされた。さらに、このデータセットをC. elegansのタンパク質−タンパク質インタラクトームのデータセットと統合すると、タンパク質同士の構造的および時間的相互作用領域を予測することができた。

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