Analysis

タンパク質量分布および実験デザインのモデル化によるプロテオーム解析の成功率向上

Nature Biotechnology 25, 6 doi: 10.1038/nbt1315

システム生物学およびバイオマーカー探索の取り組みでは、真に包括的なプロテオーム解析がきわめて有意義である。しかし完全なプロテオーム解析は、実験デザインのダイナミックレンジおよび検出感度がきわめて広範囲のタンパク質量には適していないことが妨げとなっている。包括的な解析を目的とする実験デザインでは、分離後に質量分析法によるタンパク質消化物の同定が行われる。結果は同定物の集合体として表されるのが一般的であり、失われたプロテオーム画分の情報は全く含まれないため、評価が困難で誤った解釈を招く可能性がある。本研究では、この問題に取り組むために実験デザインを全体的な視点で捉え、コンピューターシミュレーションで任意の実験の成功率を評価した。この方法では、一般的な実験デザインに簡単な変更を加えることにより、プロテオーム解析の成功率が5〜10倍に改善可能であることが確認された。

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