Article Fah-/-/Rag2-/-/II2rg-/-マウスでのヒト肝細胞の活発な増殖 2007年8月1日 Nature Biotechnology 25, 8 doi: 10.1038/nbt1326 ヒト肝細胞の定着率が高いマウスは、医薬品開発および研究に多くの用途があると考えられる。利用可能な最高の肝ヒト化モデルである尿プラスミノーゲン・アクチベータ組換えモデルには実用上の制約がある。幅広く利用される肝異種定着システムをつくるため、我々は重度免疫不全症のフマリルアセトアセテート・ヒドロラーゼ(Fah)欠損マウスを作製した。このマウスは、ウロキナーゼ発現アデノウイルスで前処理すると、肝生検などさまざまな供給源から得られたヒト肝細胞の移植定着率が高まる(最高90%)。さらに、ヒト細胞は最初のドナーから連続して移植することができ、少なくとも4回連続して肝臓を定着させることができる。増殖した細胞は一般的なヒトの薬物代謝を示した。このシステムは、組織培養用の良質なヒト肝細胞をつくるための確実なプラットフォームになる。また、薬物代謝物の毒性テストおよび増殖をヒト肝細胞に依存する病原体の評価にも有用と考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る