Article RNAi治療薬送達のための脂質様物質のコンビナトリアルライブラリー 2008年5月1日 Nature Biotechnology 26, 5 doi: 10.1038/nbt1402 RNA干渉(RNAi)治療薬の安全かつ効果的な送達には、臨床開発に向けて重要な課題が残されている。合成が多段階で時間がかかることもあり、送達材料の多様化は未だに進展していない。本論文では、RNAi治療薬の送達剤として、リピドイドと名付けた新しい種類の脂質様送達分子を紹介する。化学的な方法の進歩により、1,200種以上の多様な構造をもつ大きなリピドイドライブラリーが短時間で合成されるようになった。我々は、二本鎖低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)を標的とする一本鎖アンチセンス2'-O-メチル(2'-OMe)オリゴリボヌクレオチドとともに調製したときに、内在性遺伝子転写物の高度な特異的抑制を実現するリピドイドを、このライブラリーから同定した。リピドイドの安全性および有効性は、3種のモデル動物(マウス、ラット、人間以外の霊長類)で評価した。今回の研究から、この材料は、RNA治療薬の局所的送達にも全身送達にも広く利用可能と考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る