Article 臨床的有害事象と関連するヘパリンには過硫酸化コンドロイチン硫酸が混入している 2008年6月16日 Nature Biotechnology 26, 6 doi: 10.1038/nbt1407 最近、ヘパリンの一部ロットが、アレルギー性反応を示す重篤な副作用の急性発現と関連づけられている。副作用件数の急増原因を突きとめるため、有害事象と相関するヘパリンのロットを、直交的な高解像度解析法で分析した。詳細な構造解析の結果、不純物には、グルクロン酸がβ-N-アセチルガラクトサミンと β-1→3結合した二糖反復単位が含まれることがわかった。この二糖単位は硫酸化パターンが通常と異なり、グルクロン酸の2-O位および3-O位、ならびにガラクトサミンの4-O位および6-O位が硫酸化されている。この不純物の性質を考えると、従来のスクリーニング検査では混入ロットと非混入ロットとを識別することができない。我々の解析法は、ヘパリンのロットが本論文の不純物を含むか否かの判定に利用可能な効果的スクリーニング法になると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る