Article プロテアーゼ切断部位の特定を目的とするデータベース検索が可能なプロテオーム由来のペプチドライブラリー 2008年6月16日 Nature Biotechnology 26, 6 doi: 10.1038/nbt1408 本論文では、配列特異的なタンパク質相互作用の解析を目的とするデータベース検索が可能なヒトプロテオーム由来のペプチドライブラリーを紹介する。エンドプロテアーゼの切断部位の特定には、一級アミンを保護してそのライブラリーのペプチドを用い、切断される結合のN末側(ノンプライムP)およびC末側(プライムP′)の配列選択性を同時に明らかにした。プライム側の切断生成物はビオチンで標識して単離し、タンデム質量分析法で同定する一方、対応するノンプライム側の配列は、バイオインフォマティクスを用いてヒトプロテオームデータベースから導いた。数百から1000を超えるペプチド断片の一つひとつを同定することにより、共通のプロテアーゼ切断部位とサブサイトの協同性が、P6からP6′まで容易に明らかにされた。特異性の高いGluCプロテアーゼでは、特定した切断部位558カ所の95%超が標準的な選択性を示した。特異性の低いマトリックスメタロプロテイナーゼ2に関しては、1,200を超えるペプチド切断部位が見出された。HIVプロテアーゼ1、カスパーゼ3、カスパーゼ7、カテプシンKおよびG、エラスターゼ、それにトロンビンの解析から、この方法が全機構クラスのエンドプロテアーゼに広く応用可能であることが示された。 Full text PDF 目次へ戻る