Letter 光切換可能な蛍光タンパク質は単色多標識撮像および二色蛍光ナノ顕微鏡を可能にする 2008年9月1日 Nature Biotechnology 26, 9 doi: 10.1038/nbt.1493 蛍光状態と非蛍光状態とを可逆的に光切換することができる蛍光タンパク質は、タンパク質の追跡や蛍光共鳴エネルギー移動撮像、回折限界以下の分解能をもつ顕微鏡など、革新的な顕微鏡法にとって重要である。しかし、一般的な単量体の可逆的切換可能な蛍光タンパク質(RSFP)はすべて性質および切換特性が類似しており、有用性が限定的である。本論文では、RSFP Dronpaを徹底的に変異誘発して作製した2種類の明るい緑色蛍光RSFP、bsDronpaおよびPadronを紹介する。ともに、固有の吸収および切換特性をもつ。bsDronpaは紫外領域まで広がる広い吸収スペクトルを特徴とする一方、Padronは現在知られているすべての緑色蛍光RSFPと逆の切換特性を示す。この2種類のRSFPでは、光切換による識別が可能であるため、単一の検出色を用いる多標識の生細胞蛍光顕微鏡法が可能となった。さらに我々は、発光極大の差が20 nm未満のbsDronpaとDronpaを用い、回折限界以下の分解能をもつ二色蛍光顕微鏡を実現させた。 Full text PDF 目次へ戻る