Article 尿中バイオマーカー三葉型因子3およびアルブミンは腎尿細管障害の早期検出を可能にする 2010年5月1日 Nature Biotechnology 28, 5 doi: 10.1038/nbt.1624 尿中三葉型因子3(TFF3)および尿中アルブミンによる急性腎尿細管障害の検出能力は、従来の前臨床バイオマーカーである血清クレアチニン(SCr)および血液尿素窒素(BUN)とは異なり、規制薬物の開発での使用を可能とするのに十分な統計学的厳密さで評価されたことがない。我々は、ラットを用いた研究で、腎尿細管障害に反応して尿中TFF3タンパク質濃度が著明に低下し、尿中アルブミン値が著明に上昇することを見出した。尿中TFF3濃度は非腎毒性物質に反応せず、尿中アルブミンは腎機能の変化を忠実に反映した。in situハイブリダイゼーションでは、TFF3の発現が髄質外層の外放線の尿細管に局在することが確認された。アルブミンは、SCrまたはBUNとの比較で腎尿細管障害の検出に優れ、TFF3はBUNおよびSCrの腎障害検出能力を増強した。尿中のTFF3およびアルブミンの使用は、従来のバイオマーカーと比較して、急性腎尿細管障害の高感度で確実な診断を可能にすると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る