Analysis シス調節領域の機能的解釈を改善するGREAT 2010年5月1日 Nature Biotechnology 28, 5 doi: 10.1038/nbt.1630 今回我々は、ゲノム領域アノテーション濃縮ツール(GREAT)を開発し、ゲノム全体のDNA結合事象の局所的測定で同定されるシス調節領域の機能的重要性を分析した。これまでの方法は遺伝子の近位の結合のみを考慮してきたが、GREATは遠位の結合部位を適切に取り込み、投入ゲノム領域に二項検定を用いて偽陽性を考慮に入れることができる。GREATは20種類のオントロジーからアノテーションを取り込み、ウェブアプリケーションとして利用することが可能である。SRF、NRSF、GABP、Stat3、およびp300など、さまざまな発生状況にある多数の転写関連因子を対象として、超並列塩基配列解読法と組み合わせたクロマチン免疫沈降法(ChIP-seq)のデータセットにGREATを応用したところ、遺伝子を利用した既存のツールでは見過ごされていたこのような因子の機能が多数拾い出され、検証可能な仮説が得られた。GREATは、開いたクロマチン、局在エピゲノムマーカー、および類似の機能的データセット、さらには比較ゲノミクスセットにも応用可能であり、その有用性はChIP-seqに限定されない。 Full text PDF 目次へ戻る