Letter 直接的初期化の動的な一細胞画像化が初期の指定事象を明らかにする 2010年5月1日 Nature Biotechnology 28, 5 doi: 10.1038/nbt.1632 多能性の誘導に関する研究は、大多数が多能性を獲得しない細胞の大集団の測定結果を平均する実験的方法によるものが多い。今回我々は、高分解能の低速度画像化法により、単一のマウス胚性線維芽細胞(MEF)から多能性因子陽性コロニーに至る初期化過程を2週間以上にわたって追跡した。これにより、大多数の最終コロニーではなく反応して初期化コロニーを形成した初発MEFのみを考慮して、標準化した起源細胞の初期化効率が計算された。さらに、この遡及的分析により、正しく初期化される細胞では増殖速度に急激な変化が生じ、それが細胞領域の縮小と一致することが明らかにされた。この事象は、最初の細胞分裂時に早くも生じ、人工多能性幹(iPS)細胞コロニーを形成するすべての細胞で同等の速度論で生じた。今回のデータは、初期化の理論的モデルの構築に寄与するものであり、初期化過程のある部分が確率論ではなく確定的なステップに従うことを示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る