Article マウスの細胞型特異的なトランスクリプトームの非経験的再構築がlincRNAの保存された多エキソン構造を明らかにする 2010年5月1日 Nature Biotechnology 28, 5 doi: 10.1038/nbt.1633 超並列cDNA塩基配列解読法(RNA-Seq)は、コード遺伝子および非コード遺伝子の両者を含むトランスクリプトームを検討するための不偏的な方法である。現在まで、大半のRNA-Seq研究は、既存のアノテーションに大きく依存していたため、既知の転写物の発現レベルおよび変異に重点が置かれてきた。今回我々は、Scriptureという方法を紹介する。これは、RNA-Seqのリードおよびゲノム配列のみを用いて哺乳類細胞のトランスクリプトームを再構築する方法である。我々は、この方法をマウスの胚性幹細胞、神経前駆細胞、および肺線維芽細胞に応用し、既知の発現遺伝子の多くに関して完全長遺伝子構造を正確に再構築した。その結果、数千もの新規の5′開始部位、3′末端、および内部のコードエキソンを含むタンパク質コード遺伝子で、多くの変異が同定された。さらに、1,000個以上の大きな遺伝子間非コードRNA(lincRNA)およびアンチセンス遺伝子座の遺伝子構造が明らかにされた。今回の結果は、数千もの非コードRNAを実験的に直接操作するための道を開き、哺乳類トランスクリプトームの全貌を明らかにする非経験的再構築の威力を示している。 Full text PDF 目次へ戻る