Article マウスの炎症性単球のsiRNAサイレンシングによる治療 2011年11月1日 Nature Biotechnology 29, 11 doi: 10.1038/nbt.1989 過剰で長期にわたる炎症性単球の活性は、炎症性要素を伴う多くの疾患で著明な特徴となっている。そのような状態で、自然免疫系の多くの重要な機能に影響を与えることなく、望ましくない作用を抑制しながら、その細胞を正確に標的とすることは、治療に有益である。 炎症性単球は、非炎症性のものとは異なり、傷害組織への局在化をケモカイン受容体CCR2に依存する。本論文で紹介する最適化した脂質ナノ粒子およびCCR2サイレンシングsiRNAは、マウスに全身投与すると、急速な血中クリアランスを示して脾臓および骨髄に蓄積し、単球に局在化する。単球のCCR2 mRNAが効果的に分解されることにより、炎症箇所ではその蓄積が抑制される。この治療法により、具体的には、動脈硬化性プラークの単球数が減少し、冠状動脈閉塞後の梗塞面積が縮小し、膵島移植後の糖尿病マウスの正常血糖値が延長し、腫瘍が縮小して腫瘍関連マクロファージが減少する。 Full text PDF 目次へ戻る