Computational Biology DNA複製時期および長距離DNA相互作用からがんゲノムの変異の全体像を予測する 2011年12月1日 Nature Biotechnology 29, 12 doi: 10.1038/nbt.2030 体細胞性コピー数変化(SCNA)は多くの種類のがんの特徴であるが、そのゲノム規模でのパターンの根底にある機械的原理は、いまだ十分には解明されていない。本論文では、DNA複製の時期、ゲノム構成物間の長距離相互作用、および26種類に分類されるがん検体2,792点の331,724か所のSCNAのデータを統合した。それにより、複製時期の近いゲノム領域が核内で空間的に集まっていること、SCNAの2つの境界はそうした領域に存在する傾向があること、ならびに初期および後期に複製される領域がSCNAの境界の頻度、SCNAの大きさ、および挿入に対する欠失の優先という点で異なるパターンを示すことがわかった。長距離相互作用および複製時期のデータのみで、独立した試験データセット中のかなりの割合のSCNAが同定されることが示された。我々は、がんのSCNA発生に関するモデルを提案する。このモデルからは、同時に複製する空間的に近接した領域に関するデータががんゲノムの変異の全体像の予測に利用可能であることが示唆される。 Full text PDF 目次へ戻る