Article RNAの代謝標識が哺乳類細胞のRNAの生成と分解の力学に関する原理を明らかにする 2011年5月1日 Nature Biotechnology 29, 5 doi: 10.1038/nbt.1861 細胞内RNA量はRNAの生成、プロセシング、および分解の相互関係で決定される。しかし、RNAの調節に関する研究の多くは、それぞれの過程ごとの寄与を区別していないため、それがどれほど時間的に一元化されているかに関してはほとんど知られていない。我々は、高時間分解能のRNA代謝標識を最先端のRNA定量法およびコンピューターモデルと組み合わせ、リポ多糖にマウス樹状細胞が反応するときのRNAの転写および分解速度を推定した。その結果、経時的なRNA量の変化の大部分は転写速度の変化が決定づけているが、鋭いピークを示す応答を行うには分解速度の変化が重要であることがわかった。我々は、新たに転写されたRNA群の配列を解読することにより、時間的に一定なRNAのプロセシング速度および分解速度をゲノム規模で推定した。分解速度は遺伝子によって大きく異なり、動的応答で観測される差に寄与していた。サイトカインや転写因子をコードするものなど、特定の転写物は成熟が速かった。我々の研究は、RNA調節の一元的過程を研究するための定量的方法をもたらした。 Full text PDF 目次へ戻る