Perspective コピー数多型を検出するアレイプラットフォームおよびコールアルゴリズムの網羅的な評価 2011年6月1日 Nature Biotechnology 29, 6 doi: 10.1038/nbt.1852 我々は、11種類のマイクロアレイによるコピー数多型(CNV)の検出を系統的に比較し、データの質およびCNVのコーリング、再現性、アレイプラットフォーム間および実験施設間の一致率、切断点の精度、ならびに解析ツールのばらつきの評価を行った。同じ生データに異なる解析ツールを使用すると、CNVコールの一致率は50%未満の場合が多かった。また、反復実験時の再現性は、大半のプラットフォームで70%未満であった。しかし、以上の知見は、臨床診断用の大きなCNVの検出を排除するものではない。なぜなら、再現性の低い大きなCNVが認められるのは主として複雑なゲノム領域であり、基本的には標準的な臨床データのキュレーションで排除されると考えられるためである。プラットフォームおよび解析ツールごとにCNVのコールが大きく異なることは、CNVの発見および関連解析時の実験デザイン、ならびに診断時の厳密なデータのキュレーションおよび選別を慎重に評価することが重要であることを意味する。本論文に紹介したCNV資源は、独立したデータ評価を可能とし、新しいアルゴリズムを基準に従って評価するための手段となる。 Full text PDF 目次へ戻る