Analysis HITS-CLIPデータを用いるin vivoでの タンパク質-RNA相互作用の1塩基分解能のマッピング 2011年7月1日 Nature Biotechnology 29, 7 doi: 10.1038/nbt.1873 哺乳類のRNAの複雑性は、RNA結合タンパク質(RBP)とその標的転写物との相互作用を介して調節されている。UV架橋・免疫沈降を利用する高処理能配列解読(HITS-CLIP)では、RBP結合のフットプリント領域を30~60塩基程度の分解能で網羅的にマッピングすることができる。本論文では、HITS-CLIPデータの分析によって正確な架橋部位を特定し、タンパク質-RNA相互作用を1塩基の分解能で明らかにする系統的方法を紹介する。我々は、架橋・免疫沈降で用いられる逆転写酵素が架橋されたアミノ酸-RNA付加物を頻繁に読み飛ばすことによって1塩基欠失が生ずることを発見した。マウス脳組織のノバおよびアルゴノートタンパク質のHITS-CLIPデータを用いてこうした架橋誘導性変異部位(CIMS)を全ゲノム的に分析すると、mRNAタグの約8~20%に欠失が見られ、これがmRNAまたはmiRNAのノバおよびアルゴノート結合部位にマッピングされた。CIMS分析は、現在利用可能な方法以上に正確なタンパク質-RNA相互作用の汎用的マッピング法であり、生体組織内のこうした相互作用の生化学的特性に関する洞察をもたらす。 Full text PDF 目次へ戻る