Article 亜鉛フィンガーヌクレアーゼの特異性に関する不偏全ゲノム解析 2011年9月1日 Nature Biotechnology 29, 9 doi: 10.1038/nbt.1948 亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)は、生細胞中で特異的なゲノム座位での標的DNA二本鎖切断(DSB)を誘導して遺伝子の編集を可能にする。しかし、ゲノム全体にわたってZFNの特異性を明らかにする方法は限られている。我々は、非相同的な末端結合がDSBでインテグラーゼ欠損レンチウイルスベクターを捕捉し、この一時的な事象がとらえられることを示す。ゲノム全体の組み込み部位の解析により、CCR5またはIL2RGを標的とする4対のZFNの実際のin vivo切断活性をマッピングした。高性能の配列解読によって繰り返し検出可能なヌクレアーゼ活性を有する座位の順位づけを行うことにより、各位置でのZFN特異性の程度をin vivoで監視することができた。切断は、対象となる標的部位との相同性が高いDNA上で特異的な空間配置のZFNが結合する必要があり、ZFN結合部位の個別の位置のミスマッチのみを許容した。in vivoで得たコンセンサス結合配列は生化学的実験で得られたものと極めてよく一致したが、in vivo切断部位の順位づけはコンピューターでは予測されなかった。in vivoのZFN活性の網羅的なマッピングにより、ZFNは臨床橋渡し研究で広く応用されるようになると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る