Computational Biology タンパク質ネットワークの三次元再構築はヒトの遺伝病に関する知見をもたらす 2012年2月1日 Nature Biotechnology 30, 2 doi: 10.1038/nbt.2106 本論文では、ヒトの疾患の分子メカニズムおよび遺伝的基盤に関する理解を深めるために、三次元構造分析によるヒトインタラクトームを作成し、遺伝子3,949個、変異62,663か所、および関連疾患3,453種類の関係を系統的に考察した。このネットワークは、界面を原子の分解能で解析した4,222通りの高精度な2タンパク質間相互作用で構成されている。我々は、インフレームの変異(ミスセンスの点変異、ならびにインフレームの挿入および欠失)が、対応する疾患と関連するタンパク質の相互作用界面に集中していること、および同一遺伝子のさまざまな変異に対する疾患の特異性が界面内の位置によって説明されることを発見した。また、疾患と遺伝子との未知の694通りの関係に関して候補遺伝子292個を予測し、その分子メカニズムの仮説を提示する。この研究は、病因の解明にはインフレームの疾患変異が特定の相互作用をどのように変化させるかを知ることが重要であることを示している。構造が明らかにされた相互作用ネットワークは、大規模な構造ゲノミクスおよび疾患関連研究で得られる大量のデータを解釈する重要なツールになると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る