Letter Folditのプレーヤーが導いた主鎖改変によるディールス・アルダラーゼの活性 増強 2012年2月1日 Nature Biotechnology 30, 2 doi: 10.1038/nbt.2109 再生可能燃料、薬物、および化学物質の製造では、コンピューターによる酵素設計が期待されている。新規酵素設計で触媒が作られた反応は複数存在するが、天然の酵素を超える触媒効率は得られてない。今回我々は、コンピューター設計酵素の活性を、その構造の機能改変によって高める目的で、ゲームによるクラウドソーシングを利用した。オンラインゲームFolditのプレーヤーは、コンピューターで設計された二分子ディールス・アルダラーゼの主鎖を改変して基質とのいっそうの相互作用を実現することに挑戦した。設計および特性解析を数回繰り返すことで、13残基の挿入を含む24残基のヘリックス・ターン・ヘリックスモチーフが得られ、酵素活性が18倍以上に高められた。X線結晶解析では、この大きな挿入が、Folditモデルの場合と同じ位置でヘリックス・ターン・ヘリックス構造をとることが確認された。以上の結果は、人間の創造性が、日常生活で遭遇する巨視的な課題を越えて、分子スケールの設計という問題まで及ぶ可能性があることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る