Perspective 高深度配列解読による人工的インフルエンザ阻害剤の親和性、特異性、および機能の最適化 2012年6月1日 Nature Biotechnology 30, 6 doi: 10.1038/nbt.2214 高深度配列解読で得られた網羅的な配列-機能マップを使用することで、相互作用特異性を再プログラムすることが可能となり、従来の方法では検出されないそれぞれでは小さな多数の寄与を統合することによって親和性成熟の問題が解消されることがわかった。この方法により、H1N1型インフルエンザウイルスの赤血球凝集素に対するコンピューターで設計された2種類の阻害剤を最適化した結果、いずれに関してもナノモル以下の結合親和性を有する変異体が得られた。そのうち最も強力な51残基のタンパク質が、ヒトのH2型を含め、すべてのインフルエンザ第1群赤血球凝集素と幅広く交差反応し、複数のヒトモノクローナル抗体に匹敵する力価でH1N1型ウイルスを中和したことから、コンピューターによる設計と、それに続くエネルギー地形の網羅的なマッピングにより、治療への有用性が期待されるタンパク質が作製されることが示された。 Full text PDF 目次へ戻る