Perspective
TALエフェクター遺伝子の高処理能組み立てのためのライゲーション非依存的なクローン化技術
Nature Biotechnology 31, 1 doi: 10.1038/nbt.2460
キサントモナス種由来のTAL(transcription activator-like)エフェクタータンパク質は、ユーザーが規定した特異性および機能性を有するDNA結合タンパク質を作製するための汎用的な基盤となった。今回我々は、TALエフェクター遺伝子を合成するための迅速かつ簡単でライゲーション非依存的なクローン化(LIC)法を紹介する。この方法は、固有のTALエフェクター反復単位の組み合わせをコードし、LICに適した長い特有の一本鎖DNA突出部分を持つように加工することができるDNA構築物のライブラリーに基づいている。TALエフェクターアレイの組み立てには液体を組み合わせて混合すればよく、その忠実度はきわめて高い。この方法で作製したTALエフェクターヌクレアーゼ(TALEN)は、HEK 293T細胞の内因性遺伝子座で高いゲノム編集活性を示した(64%に活性)。処理能力を最大化するため、我々は、600個を超えるTALEN遺伝子が1日で自動的に組み立てられる5塩基のTALエフェクター反復単位断片の網羅的なライブラリーを作製した。その簡単さ、処理能力、および忠実度から、LICによる組み立ては、大規模な機能ゲノミクス研究のためのTALエフェクター遺伝子ライブラリーの作製を可能にすると考えられる。