Perspective 酵素活性をin vivoで制御するタンパク質と代謝物とのアロステリックな相互作用の系統的発見 2013年4月1日 Nature Biotechnology 31, 4 doi: 10.1038/nbt.2489 最近のデータから、多くのタンパク質は特定の代謝物に結合しており、そのような相互作用は代謝および遺伝子の調節に関連することが示唆されている。しかし、タンパク質と代謝物との機能的でアロステリックな相互作用を系統的に発見する方法は存在しない。本論文では、in vivoで意味を持つアロステリックな制御を動的な代謝物データによって発見する実験的・電算的方法を紹介する。大腸菌の培養条件を、ピルビン酸塩を含む培地と、13Cで標識したフルクトースまたはグルコースを含む培地との間で30秒ごとに切り替えることにより、解糖経路の流れの逆転を測定し、代謝物濃度の急速な変化を観察した。そのデータを解糖の動的モデルに当てはめ、126組の推定上のアロステリック相互作用が代謝物の動力学にもたらす影響を系統的に試験した。その結果、糖新生と解糖との可逆的な切り替えを支配するアロステリックな相互作用が発見され、その中には、ピルビン酸塩がフルクトース-1,6-ビスホスファターゼを活性化させる相互作用も含まれた。このように、我々の方法では、多数の推定上のアロステリック相互作用から最も可能性の高いものを見いだし、その機能についての仮説を立てることができる。 Full text PDF 目次へ戻る