Computational Biology 16S rRNAマーカー遺伝子配列を用いる微生物群集の予測的機能プロファイル解析 2013年9月1日 Nature Biotechnology 31, 9 doi: 10.1038/nbt.2676 16S rRNA遺伝子のような系統マーカー遺伝子のプロファイル解析は微生物群集の研究にとって重要なツールであるが、群集の機能的能力を裏付ける直接の証拠は得られない。本論文で紹介するPICRUSt(未観察状態の再現による群集の系統研究)は、マーカー遺伝子のデータおよび標準ゲノムのデータベースを用いてメタゲノムの機能構成をコンピューターで予測する方法である。PICRUStは拡張的祖先状態再構築アルゴリズムを用いてどの遺伝子ファミリーが存在するのかを予測し、次に遺伝子ファミリーを組み合わせて複合メタゲノムを推定する。16Sの情報を利用するPICRUStにより、ヒトマイクロバイオームプロジェクトの重要な発見が再現されて宿主関連群集および環境群集の遺伝子ファミリーの量が正確に予測され、不確実性の定量も可能であった。今回の結果は系統と機能とが十分に結びついていることを示しており、この「予測メタゲノム的」な方法は現状ではマーカー遺伝子の分析を行う以外にない数千もの未培養微生物群集に関して有用な洞察をもたらすと考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る