Computational Biology
がんゲノムの調節DNAの局所変異密度低下はDNA修復と関連している
Nature Biotechnology 32, 1 doi: 10.1038/nbt.2778
発がんおよび腫瘍の進行は体細胞変異の蓄積によって媒介される。本論文では、がんゲノムの体細胞変異の局所密度が、DNase I高感受性部位を特徴とする接触可能な調節DNAで特異的に大きく低下していることを示す。この低下は体細胞変異密度に影響する既知の要因とは全く無関係で、さまざまな種類のがんで観察されていることから、一般的なメカニズムの存在が示唆される。個々のがんゲノムの分析により、調節DNA内の局所変異密度の低下が本来の全ゲノム修復装置と関連し、ヌクレオチド除去修復系の構成要素に変異を有する個々のがんでは低頻度変異現象がほぼ完全に消失することが示された。総合すると、今回の結果はクロマチン構造と遺伝子調節とがん関連体細胞変異を結びつけるものであった。