Computational Biology
一細胞RNA配列解読データの細胞間不均質性のコンピューター解析で隠れた細胞部分集団が明らかにされる
Nature Biotechnology 33, 2 doi: 10.1038/nbt.3102
最近の技術的発達によって、数百もの細胞のトランスクリプトームを偏りなく分析することができるようになり、新たな細胞部分集団が発見される可能性が広がっている。しかし、細胞周期などの潜在的な交絡因子が遺伝子発現の不均質性、ひいては部分集団を確実に見いだす能力に及ぼす影響は、依然として不明である。本論文では、潜在変数モデルを用いてそのような隠れた因子を説明するコンピューター解析法を紹介し、その検証を行う。我々の一細胞潜在変数モデル(scLVM)により、ナイーブT細胞がTヘルパー2細胞に分化する間のさまざまな段階に対応する細胞部分集団であってそれ以外の方法では検出されないものが発見されることが示された。我々の方法は、細胞部分集団の発見にとどまらず、一細胞トランスクリプトームの遺伝子発現不均質性をもたらすさまざまな原因の解明にも利用可能である。