Computational Biology
免疫系に対する薬剤の影響のマッピング
Nature Biotechnology 34, 1 doi: 10.1038/nbt.3367
薬剤が免疫系に影響を与える仕組みを理解することは、疾患の治療および好ましくない副作用の最小化に重要である。本論文では、薬剤と免疫細胞との相互作用を全システム的にコンピューターで予測する統合的な方法を紹介する。この方法では、転写シグネチャーの間で遺伝子セットをマッチさせて、その類似性を判定する。我々はこの方法を応用して、1309種類の薬剤と221種類の免疫細胞との相互作用をモデル化し、6万9995通りの相互作用を予測した。得られた免疫細胞薬理マップを用いて、5種類の薬剤がヒトおよびマウスの4種類の免疫細胞にどのように影響するかを予測した。この予測を検証するために、患者の記録を解析し、in vivo実験で得られた細胞集団変化を調べた。この方法は、数千通りの相互作用をスクリーニングして薬剤と免疫系との関係を明らかにするためのツールとなる。