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生きている生物の長時間高分解能画像化のための適応的光シート顕微鏡
Nature Biotechnology 34, 12 doi: 10.1038/nbt.3708
光シート顕微鏡で理想的な画質を得るには、照射光シートと検出用対物レンズの焦平面とが完全に重なる必要がある。しかし、生きている標本では光学特性が時空間的に変動するため、光シートと検出面がずれることが多い。本論文で紹介するAutoPilotという枠組みは、(i) 光シートおよび検出面を三次元でデジタル的に平行移動および回転させることができるマルチビュー光シート顕微鏡と、(ii) 試料体積全体の空間分解能をコンピューターでリアルタイムに最適化し続ける方法とを統合した時空間適応的な自動画像化法である。我々は、発生途上のゼブラフィッシュ(Danio rerio)およびキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の胚全体の長時間適応的画像化法を実証し、ゼブラフィッシュ幼生で適応的全脳機能画像化法を実施した。この方法は、空間分解能および信号強度を2~5倍に向上させ、非適応的画像化法では解像されない多くの領域の細胞構造および細胞内構造を明らかにし、遺伝子にコードされた蛍光マーカーの時空間的変動に対応し、生きている生物の大規模な形態形成変化中の結像性能を確実に最適化する。