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ペアガイドRNA CRISPR–Cas9ライブラリーによるヒト長鎖非コードRNAの全ゲノム欠失スクリーニング

Nature Biotechnology 34, 12 doi: 10.1038/nbt.3715

CRISPR–Cas9によるスクリーニングはコード遺伝子の機能解析に広く用いられているが、非コード領域では1カ所の切断による挿入欠失が機能的ノックアウトを生じる可能性が低いため、この方法による非コードエレメントのハイスループットスクリーニングはあまり容易なことでない。非コードDNAには欠失を生じるハイスループットな方法が必要である。本論文では、レンチウイルスペアガイドRNA(pgRNA)ライブラリーを利用して機能性の長鎖非コードRNA(lncRNA)を見いだすためのハイスループットなゲノム削除戦略を紹介する。このスクリーニング法を用いて、ヒトがん細胞の増殖を正または負に制御する能力を持つlncRNAを51個見いだした。これら51個のlncRNAのうち9個は、CRISPR–Cas9によるゲノム削除、機能回復、CRISPR活性化または阻害、および遺伝子発現プロファイリングで検証を行った。我々のハイスループットなpgRNAゲノム削除法は、哺乳類の機能性非コードエレメントの迅速な発見を可能にすると考えられる。

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