Letter
標準的な蛍光タンパク質および抗体を使用して標識された細胞および組織のタンパク質保持膨張顕微鏡法
Nature Biotechnology 34, 9 doi: 10.1038/nbt.3625
膨張顕微鏡法(ExM)では、特殊な超解像顕微鏡を使用せずとも、保存状態の良い標本の画像化が、回折限界にせまるナノメートルスケールの精度で可能となる。ExMでは、蛍光プローブを膨潤性ゲルへの固定後に物理的に引き離すことで観察する。最初のExM法では、ゲル中に生体内の元々のタンパク質が保持されず、入手困難な特注の試薬が必要であった。本論文で紹介するproExM(protein retention ExM;タンパク質保持ExM)はExMの変法であり、タンパク質が膨潤性ゲルへ固定されることで、従来の蛍光標識された抗体およびストレプトアビジン、ならびに蛍光タンパク質の使用が可能となる。proExMの有用性は、従来の顕微鏡による細胞および哺乳類組織の多色超解像(約70 nm)画像化法を行って検証し、証明した。