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サイズ調整可能な組織の三次元タンパク質局在の拡張可能な多重超解像イメージング

Nature Biotechnology 34, 9 doi: 10.1038/nbt.3641

多細胞生物の生物学的特性は、分子というサブナノスケールから細胞集団の組織規模の相互結合性というマクロスケールまで、さまざまなサイズスケールにわたって調整されている。本論文では、完全な組織のマルチスケール構造の超解像イメージング法を紹介する。このMAP(magnified analysis of the proteome;プロテオーム拡大分析)という方法は、全体の構造および三次元プロテオーム構造を保存しながら器官全体を直線的に4倍に拡大するものである。MAPは、ヒドロゲルと組織のハイブリダイゼーションを行う間の内因性タンパク質内およびタンパク質間の架橋結合を妨げることによって、タンパク質の変性および解離による自然な拡大が可能になる、という観察に基づいている。拡大された組織ではタンパク質含量、細胞内の詳細、および器官規模での細胞間結合性が保たれていた。汎用的な抗体を用いて組織の拡大プロテオームを複数回免疫標識して画像化したところ、我々の実験では82%(試験した抗体122種類中100種類)の成功率が示された。我々は、標本サイズを可逆的に調節することで、マウス脳の領域間の連絡および微細なシナプス構造がともに画像化されることを明らかにした。

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