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高分解能免疫モニタリングのためのIgG分泌細胞の詳細な単一細胞表現型解析

Nature Biotechnology 35, 10 doi: 10.1038/nbt.3964

抗体による免疫応答の動態の研究は、個々の抗体分泌細胞を解析する定量的なハイスループット法が存在しないために進んでいない。本論文では、単一細胞を数万個の40 pL液滴に区画化して蛍光移動イムノアッセイによって二次元液滴アレイで解析する単純なマイクロ流体システムDropMapを紹介する。DropMapにより、7週間のプロトコルで破傷風トキソイド(TT)によって免疫化されたマウスの抗体分泌細胞の特性を評価し、同時に、脾臓および骨髄から濃縮された個別細胞50万個以上のIgGの分泌速度および親和性を解析した。免疫化の結果、単一細胞の分泌速度および親和性の範囲はいずれも劇的に広がった(それぞれ最大3桁および4桁)。分泌速度および親和性の動態には、解剖学的区画内および区画間で経時的な差が認められた。このシステムは、免疫モニタリングならびに免疫化およびワクチン接種の最適化を可能にするだけでなく、抗体スクリーニングも強化すると考えられる。

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