Letter

in vivoおよびin vitroで自己集合するコイルドコイルタンパク質折り紙ケージの設計

Nature Biotechnology 35, 11 doi: 10.1038/nbt.3994

ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、複雑な三次構造へ自己集合することができる天然のプログラム可能な生体高分子である。本論文では、設計によるDNAナノ構造体に類似したシステムを紹介する。これは、タンパク質のコイルドコイル(CC)二量体を構成要素とし、in vitroおよびin vivoで効率的に自己集合する多面体タンパク質ケージをモジュール方式でde novo設計するシステムである。四面体、四角錐および三角柱という3種類の形の単鎖タンパク質ケージを20種類以上作製して特性評価を行ったところ、最大のものはアミノ酸残基を700個以上含み、直径は11 nmであった。ケージの安定性および折りたたみ動態は、天然タンパク質と同等であった。溶液小角X線散乱(SAXS)、電子顕微鏡および生物物理学的解析により、発現した構造体と設計との一致が確認された。また、細菌、哺乳類細胞およびマウスで四面体構造の自己集合を実証したが、マウスに炎症の証拠はみられなかった。これにより半自動的な計算設計プラットフォームおよびCC構築モジュールのツールボックスが得られ、あらゆる多面体のタンパク質ケージが設計可能となった。

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