Analysis
配列の共変動から予測される変異の影響
Nature Biotechnology 35, 2 doi: 10.1038/nbt.3769
多数の変異(変動)の表現型への影響を評価するために、多くのハイスループットな実験技術が開発されてきた。しかし、そうした方法のための機能分析法を設計することは困難であり、全ての組み合わせを系統的に試験することはできないため、遺伝的変動の影響を予測する強力な方法が必要となっている。多くの予測法は配列の進化的保存を利用しているが、残基または塩基の相互依存性を考慮していない。本論文では、変異の影響を予測するために部位間の残基依存性を明確に捕捉する教師なしの統計的方法EVmutationを紹介する。EVmutationの検証でその予測をハイスループットな変異導入実験の結果およびヒト疾患の変異の測定結果と比較したところ、EVmutationはエピスタシスを考慮しない方法よりも優れていることが明らかになった。EVmutationを用いれば、あらゆる生物の遺伝子の変異の定量的影響を評価することができる。http://evmutation.org/では、約7000種類のヒトタンパク質に関して計算した予測結果を提供している。