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マスサイトメトリーで分析したシグナル伝達ネットワークの状態および動態に対するノード量の影響

Nature Biotechnology 35, 2 doi: 10.1038/nbt.3770

シグナル伝達ネットワークは細胞機能の重要な調節機構である。がんなどの疾患状態ではシグナル伝達タンパク質の濃度が撹乱され、それは薬物療法で調節されるが、そうした変化がシグナル伝達ネットワークの特性をどのように決めるのかはほとんど解明されていない。今回我々は、マスサイトメトリーによる単一細胞解析をタグ付きのシグナルタンパク質の過剰発現と組み合わせて、タンパク質ノード量に対するシグナル伝達の関係および動態の依存性を検討した。HEK293T細胞の上皮成長因子受容体(EGFR)シグナル伝達ネットワークに注目し、35種類の抗体群を用いて、1時間にわたるEGF刺激中に20種類のシグナル伝達タンパク質の解析を行った。複雑なシグナル伝達の関係を定量化する方法BP-R2でデータを解析した結果、量依存的なネットワーク状態が明らかにされ、シグナル伝達の新たな関係が発見された。さらに、上流のシグナルタンパク質が下流のシグナル伝達の動態に量依存的な作用を与えることも分かった。この方法は、ノード量がシグナル伝達ネットワークに与える影響を明らかにし、健康および疾患におけるシグナル伝達の理解をさらに深めると考えられる。

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