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複合的低分子阻害がヒト多能性幹細胞からの機能性皮質ニューロンの誘導を加速させる
Nature Biotechnology 35, 2 doi: 10.1038/nbt.3777
ヒト多能性幹細胞(hPSC)の機能性ニューロンへの分化は大いに進歩してきた。しかし、ヒトニューロンの運命指定および機能的成熟に時間がかかることは今なお大きな課題であり、疾患モデリングおよび再生医療へのhPSC由来細胞系譜の常用化を妨げている。我々は以前、コンビナトリアルな低分子のスクリーニングを使って、hPSCを末梢感覚ニューロンへ高速分化させる条件を明らかにした。今回、早生まれの皮質ニューロンを低分子によって高速で誘導する方法を開発することにより、その方法を中枢神経系(CNS)の運命へ一般化した。6種類の経路阻害剤を併用することにより、グリア細胞の共培養を行うことなく、分化16日目までに、機能性の電気生理学的特性を有する有糸分裂後の皮質ニューロンが誘導された。分化8日目にマウス新生仔の大脳皮質へ移植すると、生じたニューロンは機能性を示し、長距離投射の確立がiDISCO全脳イメージングで示された。皮質ニューロン運命への高速分化は、CNS障害の疾患モデリングおよび細胞療法のためのhPSCによる戦略を促進することが期待される。